今回解説していくのは、動名詞です。動名詞とは動詞の語尾にingが付いて名詞化したものを指します。動名詞は学校では同時期に学習する不定詞と比較されることが多いです。
しかし、動名詞と不定詞の間にも違いがしっかりあるので、それを押さえて動名詞の使い方をマスターしましょう。
1.そもそも動名詞とは?
まず、動名詞とはどういうものか、再度定義しておきましょう。動名詞は、原形動詞の語尾にingがついて名詞として用いられるようになったものを指します。
和訳する際は、「~すること」と訳します。この辺りはto不定詞(名詞的用法)と変わらないので安心してください。では、実際に例文の中で動名詞の使われ方について見ていきましょう。
Ex) Studying hard is the best way to be smart.
訳)一生懸命勉強することは、賢くなるための最善の方法だ。
Studyという動詞が動名詞となることで、「一生懸命勉強すること」という意味の名詞になっていることが分かりますね。
名詞は主語、目的語、補語になることができるので、動名詞も同様に主語、目的語、補語になることができます。
Ex) I have finished writing a letter to my grandmother now.
訳)私は祖母への手紙を今書き終えた。
この文では、動名詞(writing a letter)が「手紙を書くこと」という意味の目的語として機能していますね。では、次の文ではどうでしょうか。
Ex) My hobby is visiting foreign countries.
訳)私の趣味は海外旅行をすることだ。
今回の例文では、補語として動名詞が用いられています。
これくらいで、動名詞についての簡単な説明は終わります。次の項からは、より細かく動名詞の性質について見ていきます。
2.動名詞とto不定詞(名詞的用法)の違い
前にも書きましたが、動名詞はto不定詞と比較されることが多いです。比較されるということは何か違いがあるということです。では、動名詞とto不定詞の間にどういった違いがあるのでしょうか。
○前置詞の後ろで使えるかどうか
動名詞とto不定詞の1つ目の違いは以下のようになります。
・動名詞→前置詞の後ろで使用可能
・to不定詞→前置詞の後ろで使用不可
重要表現で「be good at~」という表現があります。「~が得意だ」という意味の表現ですが、~には名詞が入ります。
ここで、考えなければならないのが、to不定詞の「to」の存在です。
「at」の後ろに「to」が来てしまうと、前置詞が2語連続してしまうため、文法上よろしくありません。
ですから、動名詞のみ、この場合は使用可能となります。
○動名詞とto不定詞の意味の違い
実は、動名詞とto不定詞には意味の違いが存在します。それが以下の通りです。
・動名詞→過去の事象を言及
・to不定詞→未来の事象を言及
つまり、動名詞は過去、to不定詞は未来のことを話す際に用いるのです(現在の場合はどちらでも可)。
ここでは、動名詞とto不定詞を用いた場合で意味が変わってしまうような特に注意すべき動詞を3つ紹介します。
・stop:動名詞→~するのをやめる、to不定詞→~するために止まる
・forget:動名詞→~したことを忘れる、to不定詞→~することを忘れる
・remember:動名詞→~したことを忘れる、to不定詞→~することを忘れる
Ex) Nancy stopped taking a picture.
訳)ナンシーは写真を撮るのをやめた。
Ex) Nancy stopped to take a picture.
訳)ナンシーは写真を撮るために立ち止まった。
以上のように意味は異なってきます。動名詞とto不定詞で時差が生じているのが分かりますね。
もう1つ大事なことがあります。Stopは後ろにto不定詞の名詞的用法を取ることができません。十分注意して下さい。
Ex) I forgot bringing my lunch box.
訳)私はお弁当箱を持ってきたことを忘れた。
Ex) I forgot to bring my lunch box.
訳)私はお弁当箱を持ってくることを忘れた。
動名詞の場合、「~したことを忘れる」、to不定詞の場合、「~し忘れる」という意味になります。
次に紹介するremember意味的にもforgetと同じですが、動名詞とto不定詞の使い方もほとんど変わりません。
Ex) I remember submitting my assignment to my teacher.
訳)私は先生に課題を提出したことを覚えている。
Ex) I remember to submit my assignment to my teacher.
訳)私は先生に課題を提出することを覚えている(忘れずに提出する)。
○目的語を取る用いられる場合、動名詞の形しか使えない動詞
・mind→~するのを気にする
・enjoy→~するのを楽しむ
・give up→~するのをやめる
・avoid→~するのを避ける
・finish→~し終える
・escape→~するのを逃れる
・postpone→~を延期する
・stop→~するのをやめる
・deny→~を拒否する
・excuse→~を許す
・cannot help→~せずにいられない
・admit→~することを認める
・imagine→~することを想像する
これを覚えれば完璧でしょう。
全部で「MEGAFEPSDECAI」=「メガフェップスでかい」と覚えてください。なんか恐竜っぽい名前ですね。
詳しくはこちら?
3.動名詞の否定形
動名詞の否定形は非常に簡単です。動名詞の直前に「not」を置くだけで否定形の完成です。では、例文で確認しましょう。
Ex) I said him not going to the park.
訳)私は彼にその公園に行くなと言った。
4.動名詞の完了形
動名詞の完了形も否定形同様に簡単です。「having + 過去分詞」で動名詞の完了形を作ることができます。
動名詞の完了形は、主節の動詞よりも前の時制を示す時に用います。
Ex) I regret having gone out with her.
訳)私は彼女と付き合ったことを後悔している。
5.動名詞の意味上の主語
動名詞にもto不定詞と同様に意味上の主語を置くことができます。意味上の主語を置く際は動名詞の前に所有格を付ければOKです。
Ex) Would you mind my smoking here?
訳)ここでタバコを吸っても良いですか。
このように、文の主語と動名詞の動作主が異なる場合に所有格を用いて意味上の主語を示します。
以上、動名詞の解説でした。