旺文社から出版されている「基礎英語長文問題精講」を知っていますか?おそらく、大半の書店の英語参考書コーナーに行けば見つけることができるでしょう。
昔からある英語長文問題集として知られており、手に取ったことがある受験生も多いのではないでしょうか?
「基礎英語長文問題精講」はあまり評判が良くなく、おすすめしている人も多くありません。それはなぜでしょうか?
おすすめされていない理由は何か、使うとしたらどうすれば良いか、解説していきたいと思います。
1. 基本情報
- 単行本: 288ページ
- 出版社: 旺文社; 改訂版 (2005/9/17)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4010329637
- ISBN-13: 978-4010329634
- 発売日: 2005/9/17
- 商品パッケージの寸法: 18.2 x 13.4 x 2 cm
ジャンル:英語長文問題集
難易度:難関国立大、MARCH
到達目標:難関国立大、MARCHの合格点
必要期間:2ヶ月
用途:難関レベルの長文問題の徹底演習
対象者:難関国立大、MARCH以上の大学の受験を考えていて、余裕がある受験生
2. 基礎英語長文問題精講は使いにくい
予め言っておきますが、この問題集は非常に使いにくいです。基本的に、推奨レベルの受験生であっても使用することはお勧めできません。
2-1.難易度が高い
「基礎」という言葉が最初についていますが、難易度は非常に高いです。旧帝大やMARCHの受験を考えている受験生でも8割の解答をするのは難しいでしょう。
実際、私の東北大に行った友人も全く使いこなせていませんでした。それだけ難易度が高い問題集であることは間違いありません。
収録されているのは大学の過去問をベースにした問題で、東大~地方国立大まで多岐に渡っているので、志望校に絞った対策もしにくいです。
2-2.解説が十分ではない
解説は皆無に近いです。非常に薄いペラペラの紙の解答・解説がついていますが、全く役に立ちません。
書いてあるのは、重要語句の意味と問題のちょっとした解説です。
2-3.サイズに問題がある
この問題集は、文庫サイズになっています。つまり、非常に文字が読みにくいのです。
一般的な問題集よりも、文字がびっしり敷き詰められているので読みにくく、読んでいて疲れます。
3. おすすめの参考書
2章では、「基礎英語長文問題精講」の欠点について書いて来ましたが。では、どんな参考書を使うのが良いのでしょうか?
最も出題頻度の高い600語から900語の標準からやや難から難レベルの英文15題で構成されています。
近年よく出題されるテーマの英文を扱い、Topicとして背景知識の解説と要約が付いていて使いやすいでしょう。
問題の質、解答・解説、どちらを考えても旧帝大、MARCHを受験する学生であればおすすめしたい1冊です。
700語程度の長文問題が収録されています。上の「やっておきたい700」よりは平均語数は少なくなっています。
収録されている問題の質が良いことで評判の1冊です。比較的オーソドックスな問題が選ばれており、「やっておきたい700」よりは難易度が低めでしょう。
4. もし使いたいのであれば
基本的に使う必要がない問題集ではありますが、もし使いたいという受験生がいた時のために「最も効率的な使い方」をお教えします。
※ちなみに
これは私の受験生の時の実際の使用方法であり、このおかげで圧倒的に読解スピードが上がりました。
事実、よほどの超長文が出題されない限り、模試、入試では20分以上時間が余っていたほどです。
まず、前提として単語レベルは6000語は欲しいところです。キクタン6000を8割程度は覚えていないと厳しいでしょう。
1日1題、計50題を2ヶ月で行えば大丈夫です。
①時間を計って問題を解く
時間を計測して問題を解きましょう。
必ずと言っていいほど分からない語句が出てきますが、文脈から意味を推測して考えましょう。
②高校・塾の先生に添削してもらう
この問題集はあまりにも解答・解説が不十分なので、信頼できる高校か塾の先生に添削してもらいましょう。
解答・解説よりはまともな添削が返ってくるはずなので、実際の解答・解説と見比べて、解答の欠点を確認しましょう。
③分からなかった語句を調べて直接書き込む
解答・解説に載っているのであればそこから、載っていないのであれば辞書で調べましょう。
調べた意味は、直接本文に書き込むことをおすすめします。
④本文を音読する×2
全ての語句の意味が理解できたら、本文を2回音読して終わりです。
文構造を理解できない点があれば、それも本文に書きこんでおけばいいでしょう。
以上が、「基礎英語長文問題精講」の最も効率的な使い方です。
ポイントは、「演習のための問題集」として使うことです。
1日1回、難しいレベルの長文を解く訓練を行うための問題集として使いましょう。他の問題集として欠点が多い分、収録されている問題が非常に多いので1冊終えればかなり力が付いているでしょう。