英文法

受動態は語順が命

受動態は語順が命

「AがBを~する」というように動作主が主語である文を能動態と言います。

英語には、もう1つの文体があります。それが受動態です。

「BがAに~される」というような文が受動態の文となります。

では、受動態の文の構造、作り方について説明していきましょう。

 

 

1. 受動態の英文の構造、作り方

まず、能動態の文を元にして受動態の文を作成してみます。

【能動態】
Ex) Takeshi wrote the book.
訳)タケシはその本を書いた。

【受動態】
Ex) The book was written by Takeshi.
訳)その本はタケシによって書かれた。

 

上のようにして、受動態の文は作成されます。では、作成の手順を示します。

 

① 能動態の文中の目的語を主語に変える。

② 動詞を「be+過去分詞」に変える。その際、主語が変化しているのでbe動詞も主語に合わせて変化する。

③ 動詞の後ろに「by」を付ける。

④ 「by」の後ろに動作主を置く。

 

この4つの手順を踏むことで能動態から受動態の文へと変えることができます。では、実際にやってみましょう。

【能動態】
Ex) My father cooked the dinner.
訳)私の父が夕食を作った。

動詞を「be+過去分詞」に変換→was cooked(the dinnerが単数なのでwas)。

【受動態】
Ex) The dinner was cooked by my father.
訳)夕食は父によって作られた。

 

※受動態の文の作成上の注意

上にも書きましたが、能動態の文での目的語が受動態の文での主語になります。

つまり、第3、4、5文型の能動態の文のみが受動態の文になることができます。

第1、2文型の文は目的語を取らないため、受動態の文にはなることができません。

 

※by+動作主を省略する場合

次のような場合には「by+動作主」を省略します。
・動作主の特定が不可能な場合。
・動作主が一般人。
・文脈から動作主の特定が容易な場合。

 

さて、受動態の作り方については学習できました。これからは、各文型(第3、4、5文型)に分けて解説していきたいと思います。

 

 

○第3文型(S+V+O)

第3文型の受動態の文構造は以下の通りです。

“S+be動詞+過去分詞(+by+動作主)”

 

構造だけを書いても分かりにくいと思いますので、例文を何個か紹介します。

【能動態】
Ex) My brother built the house.

【受動態】
Ex) The house was built by my brother.
訳)その家は私によって建てられた。

 

【能動態】
Ex) They speak Spanish in Mexico.

【受動態】
Ex) Spanish is spoken in Mexico. (Spanish is spoken by them in Mexico.)
訳)メキシコではスペイン語が話されている。

先ほども書きましたが、今回の文での動作主は特定できない(一般)なので省略可能です。

また、in Mexicoのような修飾語は文末に置くことが一般的です。

 

【能動態】
Ex) Mike invented this machine.

【受動態】
Ex) This machine was invented by Mike.
訳)この機械はマイクによって開発された。

 

 

○第4文型(S+V+O₁+O₂)

第4文型の受動態の文構造は以下の通りです。

“S+be動詞+過去分詞+O₂、Sプラスbe動詞+過去分詞+O₁”

第4文型の受動態の文は、第一目的語(O₁)が主語になるパターンと第二目的語(O₂)が主語になるパターンの2通りあります。

【能動態】
Ex) Bob gave me this watch.

【受動態】
・主語を「私」にする場合。
Ex) I was given this watch by Bob.
訳)私はボブからこの時計をもらいました。

・主語を「時計」にする場合。
Ex) This watch was given to me by Bob.
訳)この時計はボブが私にくれた。

 

【能動態】
Ex) I told this Mike the news.

【受動態】
・主語を「マイク」にする場合。
Ex) Mike was told the news by me.
訳)マイクは私からその知らせを聞いた。

・主語を「その知らせ」にする場合。
Ex) The news was told to Mike by me.
訳)その知らせは私からマイクに伝えられた。

 

 

○第5文型(S+V+O+C)

第5文型の受動態の構造は以下の通りです。

“S+be動詞+過去分詞+C(+by+動作主)

では、実際に例文を見てみましょう。

【能動態】
Ex) My father named me Ken.

【受動態】
Ex) I was named Ken by my father.
訳)私は父親からケンと名づけられました。

 

【能動態】
Ex) Rika made Ken happy.

【受動態】
Ex) Ken was made happy by Rika.
訳)ケンはリカのおかげで喜んだ。

 

 

2. 群動詞の受動態

群動詞って何?と思った人もいるかもしれません。

群動詞とは「動詞+前置詞」のセットで1つの他動詞として機能するものです。

Ex) speak to、take care of、put off

以上が群動詞の一例です。群動詞は「動詞+前置詞」という2語で構成されていますが、あくまでも1語として捉えてください。

 

【能動態】
Ex) Mike spoke to me yesterday.

【受動態】
Ex) I was spoken to by Mike yesterday.
訳)私は昨日マイクに話しかけられた。

 

【能動態】
Ex) My grandfather took care of my cat while I was away.

【受動態】
Ex) My cat was taken care of by my grandfather while I was away.
訳)私のネコは、私の留守中に祖父に面倒を見てもらっていた。

前置詞が2つ並んで少し違和感を覚えるかもしれませんが、あくまでも「speak to」で1語ですので慣れていきましょう。

 

 

3. by以外の前置詞を使う受動態

ここでは、by以外の前置詞を用いる受動態を例文でいくつか紹介していきたいと思います。

Ex) The actor is known to a lot of people in the world.
訳)その俳優は世界中の多くの人々に知られています。

 

Ex) I was caught in a shower on my way home.
訳)私は家への帰り道で雨にあった。

 

Ex) Mt.Fuji is covered with snow now.
訳)富士山は今雪で覆われている。

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