現在完了・過去完了・未来完了
今回は、完了形について勉強していきます。完了形には大きく分けて3種類あり、以下の通りに分かれます。
・現在完了形→have+過去分詞(主語が3人称単数の場合はhas+過去分詞)
・過去完了形→had+過去分詞
・未来完了形→will have+過去分詞
完了形は「have+過去分詞」で1つの形を取ります。
そのため、ここで用いられているhaveには「持っている」というhaveの動詞的な意味はありません。
あくまでも、「have+過去分詞」で1つの形を形成するということを覚えてください。
加えていうのであれば、haveは助動詞的に用いられていると考えてください。
また、形から想像できるかもしれませんが、過去完了形・未来完了形は現在完了形が変化した形です。
ですから、現在完了形の使い方を覚えてしまえば、あとは形を少し変化させるだけで過去完了形・未来完了形は作れてしまいます。
では、さっそく現在完了形について勉強していきましょう。
1. 現在完了形とは、使い方
現在完了形とは何か?それは
“過去と関連させた現在を捉えるための形”
です。
現在形は過去から現在、そして未来まで不変であることを表すのに対し、現在完了形は、過去から行っていることが現在どういう状態なのかを表します。
過去の動作が現在に影響していることを考えるためにこの形が用いられます。
現在完了形は主に以下の3つのパターンの意味があります。まずは、この意味を押さえましょう。
・完了(結果)→(ちょうど)~したところだ/(すでに)~したところだ(してしまった)
・経験→(今までに)~したことがある。
・継続→(ずっと)~している。
日本語だと、全然違う意味になってしまいますが、すべて「過去から現在まで」を表しているのがポイントです。
では、この三つを、例文でひとつずつ見ていきましょう。
完了(結果)
Ex) Rabi has already finished his homework.
訳)ラビはすでに宿題を終えてしまった。
今回は、already「すでに」が入っているので、「すでにVしてしまった」という完了の意味になります。
already,justなどの副詞はhaveと過去分詞の間に入れて「have already 過去分詞」「have just 過去分詞」という語順になることがポイントです。
経験
Ex) I have talked with Mop before.
訳)私は以前モップと話したことがあります。
今度はsinceではなくbeforeですので、継続の意味ではなく、経験の意味になります。過去の経験が今も残っているということです。
継続
Ex)Bean has been busy since last Monday.
訳)ビーンはこの前の月曜日以来ずっと忙しい。
動詞がhas beenなので、現在完了ですね。よくみると、last Monday(この前の月曜日)ではなくて、since last Monday(この前の月曜日以来)になっています。
つまり、先週の月曜日から忙しくなりはじめて、今も忙しいということです。
【重要】現在完了形の3パターンと相性の良い副詞
Ex) I have just eaten breakfast now.
訳)私はたった今朝食を食べました。
これは「完了(結果)」の意味で用いられていますね。
※「eaten」という言葉に違和感を覚えた人も多いかもしれません。これは、「eat」の過去分詞形です。過去分詞形に関しては1つ1つ覚えなければなりません。頑張りましょう。
「ちょうど食べ終えた」=「食べることが完了した」というように考えられますね。
今回の例文で注目してほしいのは、「just」です。
詳しくは後ほどまとめますが、現在完了形の3パターンにはそれぞれ相性の良い副詞というものが存在します。
それを覚えることによって、その文章において現在完了形がどの意味で使われているか分かります。
Ex) I have visited Kyoto before.
訳)私は以前京都に行ったことがあります。
今回は、「経験」の意味で用いられていますね。
過去に京都に行ったということが現在において経験として残っているという考えです。さて、今回の例文で注目すべきはbeforeです。
Ex) I have been absent from the meeting since last Tuesday.
訳)私は先週の火曜日からその会議を欠席している。
これは、「経験」についての例文です。
先週の火曜日から現在までその会議を欠席し続けているという意味になりますね。
さぁ、ここまできたらもう想像は付きますよね?
今回の例文でカギとなるのは、「since」です。
●完了(結果)と相性の良い副詞
Ex) just、already、now、yet
これらの副詞は、「すでに」や「ちょうど今」といった意味を表します。
●経験と相性の良い副詞
Ex) before、ever、once、twice、~times
「今まで」といった意味を表したり、「過去に~回したことがある」という意味を表したりします。
●継続と相性の良い副詞
Ex) for、since
期間を表す副詞と相性がいいことが分かりますね。
2. 現在完了形の否定文
先ほども述べましたが、現在完了に用いられるhaveは助動詞です。つまり、否定文を作る際は以下のようになります。
“have+not(never)+動詞”
「経験」についての現在完了の場合、notのかわりに「never」を用いると「一度も~したことがない」という意味になります。
Ex) I have never visited Tokyo.
訳)私は一度も東京に行ったことがない。
そこまで難しくないでしょう。
しかし、否定文にはもう1つ大事なルールがあります。それは、
“肯定文の「already」=否定文の「not~yet」”
です。
肯定文でalreadyを使っている文を否定文にするときは、alreadyを「not…yet」に変える必要があります。
Ex) I have already eaten breakfast.
訳)私はすでに朝食を食べ終えた。
上の文章は肯定文ですが、これを否定文にするとどうでしょう?
Ex) I have not eaten breakfast yet.
訳)私はまだ朝食を食べていない。
Ex) (肯定文)My son has already finished his homework.
Ex) (否定文)My son has not finished his homework yet.
現在完了の否定文の文末にyetを置くと「まだ…ない」という意味になります。
3. 現在完了形の疑問文
何回も言いますが、haveは助動詞として使われています。そのため、疑問文の作り方も助動詞と同じです。「have」を文頭に持ってきて文末に?を付ければ完成です。
“Have+S+動詞~?”
Ex) Have you ever been to America?
訳)あなたはアメリカに行ったことがありますか?
このような文章になります。
また、経験をたずねる疑問文のときはeverを使って、
“Have+S+ever+過去分詞”
という形を取ることが多いので、覚えておきましょう。
また、「もう…しましたか?」と聞きたいときには、現在完了の疑問文の文末にyetをつければいいのです。
Ex)Have you finished your homework yet?
訳)あなたはもう宿題を終えましたか?
4. 過去完了形とは、使い方
現在完了とは、過去と関連させて現在を考えるものでしたが、過去完了は、過去よりも昔の過去(大過去)と過去をリンクさせて「大過去から過去まで」を表します。
形としては、現在完了のhaveの部分をhadに変えればOKです。
過去完了にも現在完了同様に3つのパターンが存在します。
・完了(結果)→(過去のある一時点で)~し終わったところだ。
・経験→(過去のある一時点で)~したことがある。
・継続→(大過去から過去のある一時点まで)ずっと~していた。
Ex) Takeshi had started eating dinner at that time.
訳)タケシはその時には夕食を食べ始めていた。
これは完了の意味です。at that timeという言葉がその一時点を示していますね。
5. 未来完了形とは、使い方
未来完了とは、未来のある一時点までを現在を関連させる考えです。
形としては、現在完了のhaveの前にwillを入れればOKです。
未来完了の3パターンは以下の通りです。
・完了(結果)→(未来のある一時点で)~し終わっているだろう。
・経験→(未来のある一時点で)~したことがあるだろう。
・継続→(未来のある一時点で)~し続けているだろう。
Ex) I will have already finished my homework be tomorrow.
訳)私は明日までに宿題を終えているだろう。
これも完了の意味で用いられています。明日の時点で、宿題が完了しているだろうということを意味しています。
6. 完了進行形
最後に紹介するのは完了進行形です。
これは、完了形の「継続」の意味を表す際に用いられる形です。
分かりやすくするために、「継続」の用法を一度整理してみましょう。
・現在完了形→過去のある一時点から現在までの「状態の継続」
・過去完了形→大過去から過去のある一時点までの「状態の継続」
・未来完了形→未来のある一時点までの「状態の継続」
上に「」内で示したように、完了形の「継続」は状態の継続を示します。では、「動作の継続」を表す際にはどうすれば良いのでしょうか。
この時に用いられるのが、完了進行形です。
・現在完了進行形→過去のある一時点から現在までの「動作の継続」
・過去完了進行形→大過去から過去のある一時点までの「動作の継続」
・未来完了進行形→未来のある一時点までの「動作の継続」
このようにまとめることができます。完了進行形の形は以下の通りです。
“have(has) been ~ing”
過去完了進行形・未来完了進行形の場合は完了形同様に、had/will hadに変化させます。実際に例文で確認しましょう。
Ex) I have been studying English since this morning.
訳)私は、今朝からずっと英語を勉強し続けています。
Ex) Bob had been waiting for me until I met him.
訳)ボブは私と会うまで、私のことを待ち続けていた。
Ex) I will have been playing working for this company for 10 years next month.
訳)来月で、私はこの会社に10年間勤務し続けたことになる。
※未来完了進行形は「will have been ~ing」と非常に長いためあまり使われることはありません。
参考までに、現在分詞・過去分詞など分詞に関する記事はこちら
進行形などの時制に関わる文法で重要な仮定法はこちら
以上で完了形(現在・過去・未来)の解説を終わります。