英文法

「省略・挿入・同格」を5分で学ぶ

省略・挿入・同格

さて、今回の解説テーマは「省略・挿入・同格」の3テーマです。

強調や倒置に比べてそれほど難しい分野でもないので3つまとめて解説していきますが、もちろん覚えるべきこともたくさんあります。
 
細かい表現ではありますが、少しずつ確実に学習していきましょう!

 

 

 

1.省略表現

○ そもそも省略表現とは?

 まず初めに紹介するのは「省略表現」です。

みなさんが日常で人と会話する際にもある言葉を省略しますよね?

例えば、「映画館に行きませんか?」と聞かれた時の返答として、「行きたくないです。」と答えるとします。この場合「映画館に」という言葉が省略されているのです。

ある語句を繰り返し使用する場合は、その語句を省略する場合が多いですよね。
英語でも同様にこのような省略表現が多々用いられる場合があります。

では、さっそく解説していきます。

 

○ 繰り返しを避ける省略

A) to不定詞の後ろの省略

to不定詞を用いていてある動詞が重複する場合、重複するto不定詞の「to」以降を省略することが多いです。

Ex) My mother made me eat a tomato, though I didn’t want to.
訳)私は食べたくなかったが、私の母は、私に無理矢理トマトを食べさせようとした。

文末の「to」を見てください。この後ろに何が省略されているでしょうか?

私が何をしたくなかったか考えればすぐに分かりますね。

「to」の後ろには「eat a tomato」が省略されています。

このように、「to」の後ろが省略されているto不定詞のことを代不定詞といいます。

 

B) 所有格の後ろの名詞の省略

Ex) Nancy’s picture and Mike’s are both beautiful.
訳)ナンシーの絵とマイクの絵はどちらも美しい。

さて、今回の例文で省略されているのは何でしょう?

「Mike’s」の後ろが何か不自然ですね。そう、「Mike’s」の後ろには「picture」が省略されているのです。

このように、所有格(~のという形)の後ろの名詞が重複している名詞の場合は省略されることが多いです。

 

C) 補語の省略

Ex) Yuji is very smart since his father used to be.
訳)彼の父がそうであったように、ユウジは非常に頭がいい。

今回の例文で省略されている内容は何でしょう?

文末の「be」に注目してください。通常の場合、「be」の後ろには補語が来ますよね?

ですが、「be」の後ろには何もありません。つまり、今回の例文では補語(例文中ではvery smart)が省略されています。

さて、繰り返しについての省略の解説は以上です。最後に例文を載せておくので、どの語句が省略できるか考えてみてください。

1) I went shopping with my girlfriend, though I didn’t want to go shopping with her.
訳)私は行きたくなかったのに、彼女と買い物に行った。

2) Takashige is not so smart, though his father wanted him to be smart.
訳)父は賢くなってほしいと思っていたが、タカシゲはそんなに賢くない。

○  解答

1) go shopping with her
2) smart

 

 

○ 接続詞の後ろの省略

 従属節の主語が主節の主語と同一の場合、従属節の主語が省略される場合があります。

 

A) 副詞節(従属節)の主語が主節と同じ場合

Ex) When young, I would often go fishing with my grandfather.
訳)幼いころ、祖父とよく釣りに行ったものだ。

上の例文では何が省略されているのでしょうか?

従属節を見てください。主語と述語が欠けていますね。つまり、従属節の主語と述語が省略されているのです。

では、具体的に何が省略されているのでしょうか?

最初に少し書きましたが、主節の主語と一緒の時は省略されます。

ですから、「I was」が省略されています。

主節の主語は「I」、主節の時制が過去形なので、上の言葉が省略されていることが分かります。

Ex) Though optimistic, he is serious about the problem.
訳)彼は楽観的だが、その問題には真剣に考えている。

この例文で省略されているのは何でしょうか?

先ほどと同じように、副詞節の中身が省略されています。

主節の主語は「he」、時制は現在形ですので、副詞節の中身の「he is」が省略されていることが分かります。

 

B) Ifなどの後ろの省略

「if」の後ろに来る主語と述語はしばしば省略されます。

この場合でも、主節の主語と時制を元に省略されたものを考えましょう。

Ex) We an office worker want to get a high salary, if possible.
訳)我々サラリーマンは可能なら高い給料が欲しい。

if節(従属節)を見てみましょう。完全な文になっていませんね。主語と述語が省略されています。

この場合も主節を確認すれば一発で分かってしまいます。

何が「possible」なのか考えてみましょう。

「want to get a high salary」ですね。つまり、「高い給料を得ること」が可能なら、ということを言いたいわけなので、これを「it」で言い換えます。

そして、主語がitで、主節の時制が現在形なので動詞は「is」ですね。

つまり、「it is」が省略されているのです。

では、最後に例文を2つ載せておくので、どの語句を省略することができるか考えてください。

1) When I was in childhood, I used to go the cram school.
訳)子どものころ、私はその塾に通っていた。

2) I’ll lend you this dictionary, if it is necessary.
訳)もし必要ならこの辞書を貸しますよ。

○ 解答

1) I was
2) it is

 

 

2.挿入表現

文中に、語句や節を加える表現のことを「挿入」といいます。加える部分は、カンマやダッシュで区切られます

「紙の無駄遣いをしてはいけない、つまり、私の言いたいことは資源を大切にしなさいということだ。」という文があるとします。

この場合の「つまり」が挿入部分なのです。ちなみに、英語で「つまり」は「that is to say」です。

さて、解説に移りたいと思います。

 

A) 節を挿入する場合

先ほどの「つまり」や、「いわゆる」といった言葉を文の途中で用いることは日本語でもよくありますよね?

まずは、そういった形の「節の挿入」のパターンについて解説します。

Ex) My girlfriend, as you know, is one of the most famous actresses in Japan.
訳)私の彼女は、ご存知の通り、日本で最も有名な女優の一人だ。

この例文では、「ご存知の通り」という節が挿入されています。

以下に、挿入で用いられやすい節をまとめてあるのでこれらの表現は最低でも覚えましょう。

 

○ 挿入で用いられる節

that is to say(つまり)、as you know(ご存知の通り)、as far as I know(私の知る限り)、I am afraid(残念ながら)

最後に、節の挿入は下の例文のように主語の後ろに来ることが多いので、押さえておきましょう。

Ex) His project, I am afraid, won’t go well.
訳)彼の企画は、残念ながら、うまくいかないだろう。

※go well:うまくいく

 

B) 語句を挿入する場合

挿入される語句の多くは副詞的に用いられるものが多いです。

特に、慣用表現のようなものが大半を占めます。

Ex) My father is about 50, nevertheless, he can run faster than me.
訳)私の父はだいたい50歳であるにもかかわらず、私よりも速く走ることができる。

ここで挿入されているのは「nevertheless(~にもかかわらず)」です。

語句を挿入する場合は、動詞の後ろや節の一番後ろなど様々な場所に挿入されることがあります。

Ex) My friend’s opinion is, in a sense, to the point.
訳)私の友人の意見は、ある意味では、的を射ている。

※to the point:的を射た

語句の挿入の場合も、だいたい決まった語句が用いられます。以下にまとめてあるので確認してください。

○ 挿入で用いられる語句

in a sense(ある意味では)、after all(結局)、on the other hand(他方では)、by contrast(対照的に)、for example(例えば)、to be sure(確かに)、however(しかしながら)、therefore(それゆえ)

 

 

3.同格表現

 ある名詞を言い換えたり、補足説明などを加えたりする場合に用いる表現を「同格表現」といいます。

 同格表現は名詞だけでなく、名詞句にも用いられ、名詞(句)の後ろに他の名詞(句)を置くことで同格の意味を表すことができます。

 

○ 語句の同格

まず初めに紹介するのが、語句を並列に並べて同格を表す文法です。

実際に例文を見ながら確認しましょう。

Ex) Ms. Ozeki, a famous actress, lives in Saitama.
訳)あの有名な女優のオゼキさんは埼玉在住だ。

語句を並列させて同格を表す時、多くの場合は例文のようにカンマで区切ります

しかし、前に置かれる語が形容詞的に後ろの語を修飾する場合、カンマは用いません。

Ex) My cousin Mike has lived in Japan, so he can make Japanese-style meals.
訳)私のいとこのマイクは日本に住んでいたので和食を作ることができます。

例文中では、「my cousin」が「Mike」に対して「私のいとこの」という意味を付加しています。

つまり、形容詞的に後ろの名詞を修飾しているのです。

 

○ 同格を示すthat節

 同格を示す「that」というのは、that節の中身で「that」の前に置かれた名詞を説明する「that」のことです。

実際に例文で確認してみましょう。

Ex) I hear the news that the principal will resign next spring.
訳)私は、校長が来春で辞職するというニュースを聞いた。

上の例文では、that節が「校長が来春辞職する」ということを説明していますね。

同格の「that」は、「news」や「idea」といった、考えや概念、理論のような名詞、つまり「ことば」に関わる名詞で多く用いられます。

以上で「省略・挿入・同格」に関する解説を終わります。

 

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