英文法

関係代名詞の基本性質を掴む

関係代名詞とは、先行する名詞に対して後ろから説明を加えてその名詞を限定する代名詞のことです。
 
この言葉を聞いて「関係代名詞」のイメージを思い浮かべることができたでしょうか?
 
ひとことで「関係代名詞」を述べるのなら上のようになりますが、実際のところ、上の定義だけで「関係代名詞」を理解することは非常に難しいです。
 
加えて、「関係代名詞」は高校で学習する英文法事項の中でも特に重要な分野の1つでもあります。
 
そんな「関係代名詞」でも、この解説を読めば力が付きます。
 
では、さっそく解説に移りましょう。
 
① そもそも関係代名詞とは?
② 関係代名詞の種類/格
③ 「who」:先行詞が「人」の場合
④ 「which/that」:先行詞が「人以外」の場合
⑤ 「that」が好まれる時とは?
⑥ 関係代名詞「what」
⑦ 関係代名詞と前置詞
 
 
 

① そもそも関係代名詞とは?

 
簡潔に言うと、「関係代名詞」とはある名詞を詳しく説明して限定するためのものです。
 
関係代名詞によって説明される語句のことを「先行詞」と呼びます。
 
この先行詞の種類によって使われる関係代名詞も異なってきます。
 
また、関係代名詞は節を導いて先行詞を説明するものですから、その節の中での働きによっても関係代名詞は異なってきます。
 
この働きというのは「主格・目的格・所有格」のいずれかです。
 
さて、次の章では主となる3つの関係代名詞(who/which/that)について格の視点から分類します。
 
 

 ② 関係代名詞の種類/格

 
関係代名詞は、先行詞(修飾される語)の種類と、格(節の中での働き)によって変化することは大丈夫ですね?
 
この章では、それぞれの関係代名詞を先行詞と格の視点から紹介します。
 

○ who:先行詞が人の場合

 
・主格(主語になる)→who
・目的格(目的語になる)→whom/who
・所有格(「~の」の意味を表す)→whose
 

○ which:先行詞が人以外(物/動物)

 
・主格(主語になる)→which
・目的格(目的語になる)→which
・所有各(「~の」の意味を表す)→whose/of which
 

○ that:先行詞が人/物/動物

 
・主格(主語になる)→that
・目的格(目的語になる)→that
・所有格(「~の」の意味を表す)→なし
 
以上のように分類することができます。
 
「who/which/that」という呼び方は「主格」がベースになっていることも少し意識しましょう。
 
さて、次の章からいよいよ具体的な解説に移っていきます。
 
 

 

③ 「who」:先行詞が「人」の場合

 
「who」は先行詞が「人」の場合に用いられる関係代名詞です。
 
それぞれの格によって使われ方が異なるので格毎に分けて解説していきます。
 

A) 主格(主語になる):who

 
関係代名詞は、ある名詞について説明を加えるものでしたね。
 
今回は、関係代名詞を使わずに書いた文から関係代名詞を使って書いた文への書き換えをしながら解説します。
 
Ex) My cousin is a student. She is majoring in economics.
 
訳)私のいとこは学生だ。彼女は経済学を専攻している。
 
※ major in A:Aを専攻する
 
関係代名詞「who」を使えばこの例文を1文で書くことができます。
 
○ 関係代名詞を用いた書き換え
⑴ 先行詞は「student」で「人」であり、例文中でこれを受けるのは「she」。
⑵ 「she」は主語だから、「she」を主格の「who」に変換。
⑶ 先行詞「student」の後ろに、「who」から始まる文を置く。
 
この3ステップをこなすと以下の文になります。
 
Ex) My cousin is a student who is majoring in economics.
 
訳)私のいとこは経済学を専攻している学生だ。
 
※関係代名詞の位置について
 
関係代名詞は先行詞の直後に置かれるため、文の見た目が少し変わります。
 
これを例文で確認しましょう。
 
Ex) The man is my father. He is drawing a picture.
 
訳)あの男性は私の父です。彼は絵を描いています。
 
これを、関係代名詞を用いて書くと以下のようになります。
 
Ex) The man who is drawing a picture is my father.
 
訳)絵を描いているその男性は私の父です。
 
○関係代名詞を用いた文の書き換えの手順
 
⑴ 先行詞は「man」で「人」であり、これを受けるのが「he」。
⑵ 「he」は主語だから、主格の「who」に変換。
⑶ 先行詞「man」の後ろに「who」から始まる文を置く。
 
この手順を踏むことによって上の例文は書き換えられているのです。
 

B) 目的格(目的語になる):whom/who

 
基本的に目的格の場合は「whom」が使われます。
 
「who」は口語表現で使われることが多いです。
 
Ex) Mr.Watanabe is a famous soccer player. Many young people like him.
 
訳)ワタナベ選手は有名なサッカー選手だ。多くの若者は彼のことが好きである。
 
○ 関係代名詞を用いた書き換えの手順
⑴ 先行詞は「soccer player」で「人」であり、これを受けるのは「him」。
⑵ 「him」は目的語だから、目的格の「whom」に変換する。
⑶ 先行詞「soccer player」の後ろに「whom」から始まる文を置く。
 
この手順で書き換えると以下のようになります。
 
Ex) Mr.Watanabe is a famous soccer player whom many young people like.
 
訳)ワタナベ選手は多くの若者が好きな有名なサッカー選手だ。
 
※ 目的格の場合の関係代名詞の省略
 
目的格で用いられる関係代名詞は一般的に省略されることが普通です。

 

C) 所有格(「~の」の意味を表す):whose

 
Ex) My best friend is Yu. His mother is a professor of the university.
 
訳)私の親友はユウです。彼のお母さんはその大学の教授です。
 
○ 関係代名詞を用いた文の書き換えの手順
⑴ 先行詞は「friend」であり、それを受けるのは「his」。
⑵ 「his」は所有格だから、「whose」に変換。
⑶ 先行詞「friend」の直後に「whose」から始まる文を置く。
 
書き換えた文がこちらです。
 
Ex) My best friend is Yu whose mother is a professor of the university.
 
訳)私の親友は、お母さんがその大学の教授をやっているユウです。
 
この章で紹介した「主格/目的格/所有格」の3パターン別の文の書き換えは「who/which/that」のいずれのパターンでも使えます。
 
必ずマスターしましょう。
 

④ 「which/that」:先行詞が「人以外」の場合

 
先行詞が人以外、つまり「物」などを表す場合には「which/that」が使われます。
 

A) 主格(主語になる):which/that

 
Ex) My brother will take an entrance examination to the university. It is in Beijing.
 
訳)私の兄はその大学を受験する予定だ。その大学は北京にある。
 
※ take an exam:試験を受ける、Beijing:北京
 
これを手順に沿って書き換えましょう。
 
○ 関係代名詞を用いた書き換えの手順
⑴ 先行詞は「university」で「物」であり、これを受けるのは「it」。
⑵ 「it」は主語だから、主格の「which」に置き換える。
⑶ 先行詞「university」の後ろに「which」から始まる文を置く。
 
この通りに上の例文を書き換えると以下のようになります。
 
Ex) My brother will take an entrance examination to the university which is in Beijing.
 
訳)私の兄は北京にあるその大学を受験する予定だ。
 
Ex) Ken belongs to the basketball team. It is very strong.
 
訳)ケンはバスケットボールチームに所属している。そのチームは強豪だ。
 
これを書き換えると以下のようになります。
 
Ex) ken belongs to the basketball team which is very strong.
 
訳)省略

 

B) 目的格(目的語になる):which/that

 
Ex) This is my wallet. My girlfriend designed it.
 
訳)これは私の財布です。私の彼女がこれをデザインしました。
 
○ 関係代名詞を用いた文の書き換え
⑴ 先行詞は「wallet」で「物」であり、これを受けるのは「it」。
⑵ 「it」は目的語だから、目的格の「which」に言い換える。
⑶ 先行詞「wallet」の後ろに「which」から始まる文を置く。
 
これで完成した分を見てみましょう。
 
Ex) This is my wallet which my girlfriend designed.
 
訳)これは彼女がデザインした私の財布です。
 
※目的格の関係代名詞の省略
 
「whom」の時と同じように、先行詞が「物」であっても関係代名詞を省略することが多いです。

 

C) 所有格(「~の」という意味を表す):whose

 
先行詞が「物」」であっても、所有格は「whose」になるので注意しましょう。
 
Ex) Look! That is my new house. Its roof is yellow.
 
訳)見て!あれが私の家です。屋根は黄色です。
 
○ 関係代名詞を用いた文の書き換えの手順
⑴ 先行詞は「house」で「物」で、これを受けるのは「its」。
⑵ 「its」は所有格だから、所有格の「whose」に変換する。
⑶ 先行詞「house」の後ろに「whose」から始まる文を置く。
 
完成した文は以下の通りです。
 
Ex) Look! That is my new house whose roof is yellow.
 
訳)見て!あの黄色い屋根の家が私の新しい家です。
 
Ex) That is my mechanical pencil. Its color is blue.
 
訳)それは私のシャーペンです。これは青色です。
 
これを言い換えると…
 
Ex) That is my mechanical pencil whose color is blue.
 
訳)その青色のシャーペンは私の物です。
 
 
 

⑤ 「that」が好まれる場合とは?

 
先行詞が「人」ならば「who」、「人以外」ならば「which」が基本的に用いられますが、これには例外があります。
 
この章では「that」を好んで用いるケースについて学習します。
 

A) 先行詞が「人」と「物」の両方の場合

 
「人」と「動物」、つまり「飼い主とペット」のような場合には「that」が好まれます。
 
Ex) The boy and the dog that are playing in this park are my family.
 
訳)この公園で遊んでいる少年とその犬は私の家族です。
 
このように、「人」と「物」を一括りに考える場合には「that」を用います。
 

B) 先行詞に「限定」を表す修飾語が付いている場合

 
⑴ 序数詞(「first」「second」など)が付く場合
 
Ex) This is the first story that I have written.
 
訳)これは私が最初に書いた物語です。
 
「the first」という言葉で「story」を限定的に修飾していますね。
 
また、ここで用いられている「that」は目的格ですので省略することができます。
 
⑵ 「all」や「no」などの100%、もしくは0%を表す語が付く場合
 
Ex) I have done everything that you said.
 
訳)私は、君が言ったことは全てこなした。
 
この例文中では「everything」が100%の意味を表しています。
 

⑥ 関係代名詞「what」

 
さて、この章で解説するのは関係代名詞の「what」です。
 
「what」は前述の「who/which/that」とは大きく異なります。
 
では、具体的にどこが異なっているのでしょうか?
 
関係代名詞の「what」はそれ自身に先行詞を含んでいるのです
 
考え方としては「what=the thing which」と考えるのがいいでしょう。
 
訳は「~であるもの、~するもの」という訳になります。
 
では、具体的な例文を用いて解説していきます。
 
Ex) What he did is beyond my comprehension.
 
訳)私には、彼のしたことは理解できない。
 
※ beyond A’s comprehension:Aには理解できない。
 
「what he did」=the thing which he did」ですから、「彼のしたこと」という意味になりますね。
 
「what you ate」はどういう意味でしょうか?
 
「the thing which you ate」と言い換えられるので、「君が食べた物」という意味になりますね。
 

※ 関係代名詞「what」を用いた重要表現

 
「what」を用いた重要表現をいくつか紹介します。
 
・what you(we/they) call, what is called:いわゆる
 
Ex) He is what is called a yankee.
 
訳)彼はいわゆるヤンキーだ。
 
慣用表現的に用いられることがほとんどですが、成り立ちとしては関係代名詞「what」がもとになっています。
 
・what A is, what A was:現在のA、過去のA
 
Ex) This city is not what it was 30 years ago.
 
訳)この市は30年前とは全く違う。
 
 
 

⑦ 関係代名詞と前置詞

 
この章で解説していくのは関係代名詞と前置詞の関係についてです。
 
前置詞はある目的語の前に置かれますよね?
 
ですから、この章で取り扱う関係代名詞というのは「目的格」に限定されます。
 
まず、この例文を見てください。
 
Ex) This is the village which I was born in.
 
訳)ここは私が生まれた村です。
 
この文は以下の2文からできていることが想像つきますね?
 
Ex) This is the village. I was born in it.
 
訳)省略
 
この2文から上の「which」を用いた文を導くには以下の手順を踏んでいます。
 
○ 関係代名詞を用いた文の言い換え
⑴ 先行詞は「village」で「物」であり、これを受けるのは「it」。
⑵ 「it」は目的格だから、目的格の「which」で言い換える。
⑶ 先行詞「village」の後ろに「which」から始まる文を置く。
 
このパターンは既に学習済みです。
 
しかし、前置詞の目的語として関係代名詞を用いる場合にはもう一つの書き換えパターンがあります。
 
○ 関係代名詞を用いた書き換え(前置詞の目的語)の手順
⑴ 同じ。
⑵ 同じ。
⑶ 先行詞「village」の後ろに「in which」の形でまとめて置き、後ろに「which」以下の文を置く。
 
つまり、完成形は以下のようになります。
 
Ex) This is the village in which I was born.
 
訳)省略
 
※前置詞と「that」
 
前置詞の後ろに「that」を持ってくることはできません
 
「前置詞+関係代名詞」の形を取れるのは「who」と「which」だけなので注意しましょう。
 
~確認問題~
 
日本語に合うように()内の語句を並び替えてください。
 
⑴ 母が作ってくれた朝食はおいしかった。
 
The breakfast (made, which, mother, was, my) delicious.
 
⑵ 彼は私の大好きな野球選手です。
 
He (baseball, is, player, very, much, the, like, I).
 
⑶ ケンは私と一緒にそのサッカーの試合を観に行った友人です。
 
Ken is (whom, my, friend, I, watched, with, soccer, the) game.
 
日本語に合うように()内に適当な語句を入れてください。
 
⑷ 彼の言ったことは正しい。
 
The thing which he said is collect.
 
=(     ) he said is collect.
 
⑸ これは私が入試を受けた建物です。
 
This is the building (     ) (     ) I took the entrance examination.
 
 
 
 
 
~解答~
 
⑴ The breakfast (which my mother made was) delicious.
 
先行詞はbreakfastなので「which」が使われていますね。
 
⑵ He (is the baseball player I like very much)
 
目的格の関係代名詞は省略可能です。
 
⑶ Ken is (my friend with whom I watched the soccer) game.
 
前置詞の目的語になるときは、関係代名詞の前に前置詞を置くことが可能でしたね。
 
⑷ (What)
 
先行詞を含む関係代名詞「what」の言い換え問題です。
 
⑸ (in) (which)
 
建物の中で受験したわけですから、「in which」が適切です。
 
以上で「関係代名詞」の解説を終わります。
 
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