英文法の問題集として非常に有名な「ネクステ(NextStage/ネクステージ)」の登場です。
おそらくほとんどの受験生が書店の参考書コーナーで目にしたことがある問題集でしょう。
学校で配られたり、友達が持っているなどの理由で、有名な問題集だから買ってしまった人も多いはずです。
ですが、「どう使えばいいの?結局、何が得られるの?」と思っている人も少なからずいるはずです。
このような人のために『NextStageネクステージ英文法語法問題【4thEdition】』の使い方を徹底的に解説します。
私の周りにも、最適な使い方でネクステを使用している受験生はいませんでした。
課題として課されたところをやるだけ、とりあえず全ての問題を一周した、という人が大半です。
なんとなく「ネクステ」をやることの恐ろしさは最後に伝えます。
その恐ろしさとはどういうことかというと、模試や過去問の入試問題で、同じような問題が解けない!ということです。泣
その割には「ネクステ」は分厚いしっかりした網羅性が高い文法書なので、時間がかかるということです。
その時間が無駄になるという事態は避けたいですね!
まともに使い方を理解していない受験生がほとんどだからこそ、使い方を理解することが非常に重要なのです。
ここでいう”使い方”とは、「最も効率的」という意味です。ここでは、「効率的」という言葉は以下の意味で使っています。
「効率的」=「スピード」×「効果」
様々な学習サイトでレビューがされていますが、「とにかく回数を重ねる。」や「間違った問題はノートにまとめる。」など効果はあるものの、スピードというものが考慮されていません。
受験には英語以外の科目も勉強しなければいけませんよね。ですから、受験勉強においてはスピードを重視しなければいけません。
今回は、「NextStage/ネクステージ」(ネクステ)の「最も効率的」な使用方法を解説していきます。
1.ネクステージ(NextStage)基本情報
Next Stage英文法・語法問題―入試英語頻出ポイント218の征服
- 単行本: 511ページ
- 出版社: 桐原書店; 4th edit版 (2014/11)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4342431203
- ISBN-13: 978-4342431203
- 発売日: 2014/11
- 商品パッケージの寸法: 20.8 x 15 x 2.2 cm
ジャンル:英文法問題集
難易度:共通テスト ~ MARCH
到達目標:共通テスト 8割以上、MARCH合格点
必要期間:1か月
用途:英文法問題の演習
対象者:地方国立大受験者、MARCH志望者
2. ネクステージの評価
2-1. ネクステージを使用するメリット
・圧倒的な問題量
受験英語の文法・語法問題の得点力は演習量に比例します。ネクステは文法・語法合わせて2000問以上掲載されており、問題演習のために使うのであればマストな参考書と言えます。
・必要な時間が短い
ネクステは見開き1ページの左側に問題、右側に解答解説が掲載されており、解答してから正誤の確認をするまでの時間が非常に短くて済みます。先ほども書いた通り、スピードをどれだけ意識できるかということが受験での成功に繋がっていきます。
2-2. ネクステージを使用するデメリット
・英文法の基礎をあらかじめ理解しておく必要がある
あくまでもネクステは英文法の問題演習のための本です。ネクステに取り掛かる以前に全ての英文法をマスターしておく必要があります。「解説が充実していないからネクステは良くない。」と言っている受験生が多くいます。さらに言えば、塾講師ですら言っている人が多いです。これは大きな間違いです。
勘違いしてほしくないのが、「演習」のための本と「理解」のための本は全く違います。『大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】』などの参考書で英文法を理解してから取り組みましょう。ここは本当に本当に重要です。ネクステが完璧にできるようになるとMARCH以上に自信を持って良いでしょう。しかし、ネクステージで書かれている内容が説明できないような理解のレベルだと、英文法の問題集ではなく、大岩のような知識系の基礎的な参考書を1冊やり切ってから取り組みましょう。
Nextage(ネクステージ)は学校でやっている、わからなくても勝手に進む、という人がいるかもしれません。
しかし、それはそれで英文法の基礎からやりましょう。消化できない勉強をすることはかなり無駄な勉強です。意味がわからず、暗号を覚えてようとしているものです。。。センター試験レベルで120点取れない場合はそのように考えておいて構わないと思います。
・共通テストレベルの和訳が当たり前にできるという大前提
文法・語法問題がスラスラ解けるようになるためには、和訳が余裕でできるという前提があります。また、当然のように和訳をするためには文構造が把握できないといけませんね。センター試験に出題される英文の意味は瞬時に理解できるレベルでないと、ネクステから得られる効果は少ないです。まだ、文構造把握や和訳ができないという人は『やっておきたい英語長文300』などで演習してから取り組むことをおすすめします。
3. ネクステージの最も効率的な使い方・勉強法
ここで紹介する「最も効率的な使い方」は、ある条件が揃っている人にしか意味がありません。
・英文法の基本事項を理解している。
・共通テスト程度の英文は和訳できる。※訳そうと思えば訳せる、で構いません。
※ただし、「ネクステ」のような問題集は英文を訳せることをゴールにはしないでください!これは重要ですよ!
この2つの条件が揃っていない人はネクステを使ってはいけません。それでは、ネクステの最も効率的な使い方を見ていきましょう。
色々な受験生を見てきて、「ネクステ」をやっても文法問題が解けないという人がたくさんいます。
最後にまとめ的に、やってはいけない「ネクステ」のやり方をまとめているので、自分がそうなってはいないか確認してみて欲しいです。
さて、「ネクステ」の進め方を考えてみましょう!重要なのはスピードです!
「ネクステ」の進め方
①1章単位のペースで解いて、この参考書を早く1周する
ここで重要なのが、時間をかけないことです。「この選択肢かな?いや、こっちかな?」と迷ってはいけません。問題を見たらすぐに解答の選択肢をノートに書きましょう。
※この時に、解けた・解けないで3つのパータンにわけてみましょう。
・問題を見てすぐに解けた、どうしてその答えになるかが明確にわかる → 確実な正解 〇
・ちょっと曖昧な部分があるけど、漠然とでも正解にできた →感覚で解いている △ ※ここを厳しく×にする
・どうしてその答えになるかがわからない →×
〇を付けたらすぐに解答・解説を見てはいけません。「4.やり方はノートに書いておく」を参照してください。
文法の章、語法の章という大きなカテゴリー単位で完璧にしていくと、はっきりとできる・できないがわかるので良いかもしれません。
②間違った問題の解説を理解して音読する
解説を確認するのは間違った問題だけで良いです。ここでカギとなるのが「音読」です。音読することによって、脳の吸収力が格段にアップします。
解説を読み、分からない場合は文法書、それでも分からない場合は「エバーグリーン」などの英文法専門の詳しい解説書、それでも分からない場合は先生や頭の良い友人に聞きましょう。
※暗記事項について
文法に関わるものではなく、暗記していないと解けない問題も存在します。そのような覚えていないと解けないような問題は、ノートにまとめるようにしてください。
③問題の解き方そのものを覚える
解説を理解したあとで、よーく問題の英文と選択肢をよくみましょう。
改めて、
●どんな選択肢があるのか
●英文の( )の文の位置、品詞
●その英文の意味
→これらを踏まえて、どうしてその解答になるのかを自分自身に説明できるようにしましょう。
この流れで行いましょう。
引き続き、4の「ネクステージのやり方はノートに書いて解く」をよく読んでみてください。
4. ネクステージのやり方はノートに書いて解くは正解か
賛否両論がありますが、ネクステはノートに書いて解きましょう。
ここで、ネクステージをやっても英文法の問題ができない人のパターンを先に言います。※結構いたりします。
●ノートに解答の問題番号しか書かない受験生です。
さらに、問題番号があっていたかどうかで正解・不正解を判断している受験生です。
これで良いのでしょうか?それでも良いと絶対的に言い切れる受験生は別にして、ちょっと考えてみましょう。
本質的な議論として、なぜ、わざわざノートに取る必要があるのかということです。
答えの番号の確認だけで良ければ、ノートに書く必要はないですね。裏紙に答えとなる番号を書いていけば良いだけですよね。
※ノートに書く意味がどこにあるの?というレベルで答えの記号しか書いていない受験生をよく見かけます!
【みんなの英語】のスタッフがノートに取る必要があると考えるのは、
あとで、自分でノートを振り返った時に、何(英文法の基礎知識や構文を取る力など)が原因で解けた・解けなかった
→その結果を踏まえて、ネクステージをこのように勉強していこう、こう復習していこう、このような知識を確実にこう入れよう!というより良い勉強ができるようになるための布石を作るのです。
そのように考えると、
ノートに解く際には、
1.ネクステで解いた答えは、ノートのページのできるだけ左端に書く(できるだけ余白を作るため)
2.その答えにした根拠・理由を答えの横にメモ書きっぽく書いておく
3.答え合わせは、この2の解答の根拠・理由がネクステの右ページの太字や解説と合っているかどうかで判断
4.間違っていた根拠・説明は直しを入れる
5.英文がわかるだけではなく、その問題のポイントを理解して、知識というよりも解答の仕方そのものを覚える
・選択肢(で(可能であれば)どんな問題かを判断)
・英文の構造(( )の位置で正確な品詞の定義ができる)
・英文の意味を取れる
をできる基準値の条件としましょう。
【やってはいけない】右ページのポイント的な内容を綺麗にノートにまとめる → これは絶対にやめましょう。
綺麗にまとめたそのノートを確実に覚えますか?その時間があったら問題の英文・選択肢→解説を何回もよく読んだ方が良いです。
このレベルで完璧にしていけると模試や過去問の英文法の問題が初見でも必ず解けるようになります。
そういう意味では、何の参考書をやるかよりもどうやるかの方が重要だということがわかります。
また、「NextStage/ネクステージ」はやり方によって、かなり差がでる問題集であることを付け加えておきます。
5. 「ネクステ」をやっても模試・過去問で解けない!気をつけたいやり方とは
タイトルにある通り、「ネクステ」をやっても模試や過去問で問題が解けないパターンはどのようなものがあるのか考えてみましょう。
受験生の文法力のレベルによってある程度パターン化されていると思われます。
その1:「ネクステ」を理解できる基礎的な文法力がない → 解説を読んで終わるだけ
→ このパターンは、学校で配られて、なんとなく使って進めてい人に多いです。
このパターンになっているかなっていないかのチェックの仕方は、
例えば、【時制】の章の問題で
問題文:・・・・
1:現在完了 2:現在形 3:過去形 4:過去完了
という問題があったとして、答えは3の過去形だったとします。
この時、「ネクステ」のような問題集(※「ネクステ」に限らず、「ビンテージ」「アップグレード」なども同じです。)は当たり前の基礎的な文法事項の説明が省かれているケースあります。
そのため、答えが3番になるという根本的な文法構造上の理由などが省かれているケースがあるのです。
答えが「過去形」でなければいけない文法的な理由を理解しないまま、解説を読んで「過去形かぁ〜」ぐらいで次の問題に進んでしまうのです。なんとなく進んでいってしまう、、、みたいな。
例えば、問題文の英文中に、副詞の last year があり、これは過去の出来事を指すから3:過去形が答えというように、具体的な解答の理由を全ての問題で言えるようにするできないといけないのです。
もし答えの理由を言えず、なんとなく解説を読んでいるだけのような勉強法をしていると思える場合は「大岩のいちばんはじめの英文法【超基礎文法編】」をすぐに初めて2週間ぐらいで終わらせてしまいましょう!
大岩をやる場合も同じで、文法用語の説明、意味のかたまりをしっかり理解して、他の人に説明できるぐらいにすることは必須です。
この他の人に説明できるって、どういうことか?下記を参照してください。
Q:不定詞の意味上の主語は文法の構造として、どのように作りますか?と聞かれたら、すぐに説明できますか?
A:意味上の主語は不定詞の動作の主語を意味していて、文法上は、for N(目的語となる名詞) to 不定詞 という形になる、というような説明ができれば良いですね!
その2:「ネクステ」レベルの問題に対する解答へのプロセスを理解し、応用できる解き方ができない
→ 「ネクステ」のような文法の問題集には、よく解説に「(▲▲▲で、)( ●●●だから、)3番が正解」と書かれていますよね。
で、この解説の読み方が問題だと思われます。
ダメ!絶対!のパターン:「あっ、この答えは3番かぁ〜、くそう!」で終わる。笑
これはダメですね!
同じような問題が解ける(応用できる)ようにするためには、上記の解説を例に取ると、
(▲▲▲で、)( ●●●だから、)
という部分をよく読んで理解して、その理屈そのものを覚えるです。
▲部分:選択肢を見ると、動詞が同じで形が違うから時制の問題で、→ ということは「時制の問題」だ!
●部分:問題文に過去を示す副詞があるから
↑ここを理解して覚えるのです!
「3番!過去形!」としか言えないのはダメですよ!
「ネクステ」はやり方を間違えなければ、難関大学の長文読解の英文法や語法の問題などでも解けるようになります!
頑張ってください!
以上で、「NextStage/ネクステージ」の使い方、英文法の問題の攻略法などの解説を終わります。