今回紹介する参考書は、「大学入試英作文ハイパートレーニング」の和文英訳編です。
大矢先生の英作文参考書は非常にわかりやすいことで定評があり、使ったことがある受験生も多いと思います。
過去に大矢先生の参考書の中で、「大矢復 英作文講義の実況中継」についてレビューしたことがあるのでそれについてもリンクを載せておきます。
今回紹介するのは、英作文の中でも「和文英訳」にスポットライトを当てた参考書です。和文英訳は孤高立大二次試験であればだいたいの大学で出題され、私大でもレベルが高いところでは出題されることもあります。
そのため、受験生にとって和文英訳の対策は必須となってくるでしょう。では、実際に評価と使い方について解説していきたいと思います。
1.基本情報
- 単行本: 216ページ
- 出版社: ピアソン桐原 (2009/08)
- 言語: 日本語
- ISBN-10: 4342742888
- ISBN-13: 978-4342742880
- 発売日: 2009/08
- 商品パッケージの寸法: 21 x 14.8 x 1.6 cm
ジャンル:英作文対策参考書
難易度:国公立大二次試験レベル
到達目標:平易な二次試験の英作文で合格点
必要期間:1ヶ月
用途:和文英訳の基礎力の育成
対象者:入試で英作文(和文英訳)が出題される受験生
この参考書は66のステップに分けられており、それぞれの文法事項を順を追ってマスターしていくことで英作文の力を育成するものです。
各レッスンには例題や復習問題が収録されていて、参考書を読むというインプットだけでなく問題を解いて力をつけるアウトプットをすることもできます。
2.「ハイパートレーニング和文英訳編」の評価
2-1. 使用上のメリット
・明確な演習ステップ
この参考書は12章で構成されており、66のステップが12章に振り分けられています。66の文法事項に対して細かく例題を用いて解説されています。
章の最後には、その章で学んだ内容を確認するための演習問題が付いていますが、これは入試レベルの難易度になっています。章の中では基礎的な文法事項を学び、アウトプットの場として章末の演習問題を解くことでステップアップを図ることができます。
・例文の暗記にも使える
別冊で例文集が付いてきます。左側に日本語、右側に英語が書いてあり、非常に見やすいレイアウトの例文集になっています。
私の友人でこの参考書を使っていた者はボロボロになるまで例文集を暗記して使っていました。1冊で英作文の基礎作りから例文暗記まで行えるのは貴重な参考書なのでおすすめです。
・レイアウトが綺麗
これはシステマティックな話になりますが、レイアウトが見開きで完結するために非常に見やすくて使いやすい参考書です。
内容が優れていてもそれ自体が見にくいと、効率性が悪くなってしまうのでレイアウトや参考書の見やすさというのも参考書選びの重要な観点だと私は考えています。
2-2. 使用上のデメリット
・例題の英作文解説が不十分
基本的に解説自体は十分優れているのですが、例題の解説が不十分と感じる人もいるようです。
例題について自分でもう一度解いて確認したいという受験生もいると思いますが、そのような場合は塾や予備校の先生に添削をお願いしましょう。
3.「ハイパートレーニング和文英訳編」の使い方
①例題を解く。
まずは、参考書の例題を解答してみましょう。前述の通り、解説が不十分と感じる場合もあるので、その時は塾や予備校の先生による添削指導を請いましょう。
②例題文を3回書く。
英作文の点数は反復量に応じて伸びていきます。徹底的に例文を書いていく中で点数を向上させていくことができます。自分で解いた例題の正解文を自分のノートに書いていきましょう。
③別冊の例文集を使って音読する。×3
次に行うのは書く作業ではなく、音読の作業です。例文集を見ながら音読を繰り返してください。自分で目安となる例文の数を決めて毎日コンスタントにこなしていくことが重要です。
もちろん、音読の際には付属のCDを使うことは必須です。
④復習問題を解く。
章末の復習問題を解いて入試レベルの問題に挑戦します。例題の英文よりも少しレベルが上がるかもしれませんが、それまでに習得した例文を使って考えていけば基本的に解くことのできるものばかりです。
⑤復習問題を解き直す。
復習問題を何度も解き直します。和文を見ただけで、解答文と全く同じ英文を作ることができるようになるまで徹底的に解き直しましょう。
最後に、和文英訳は基本的に演習量で得点が分かれます。思ったように点数が伸びないのは演習不足だと考えてください。同じ問題を何度も解き直していく中で、必ず得点力は向上します。