英文解釈

英文和訳のポイント

英文和訳のポイント

今回解説していくのは、英文和訳です。英文和訳は主に長文問題で出題されることが多いです。

この英文和訳は模試や入試の中でも非常に配点が高くなっており、英作文と並んで、入試英語のカギとなるものです。

ですから、今回でしっかりとポイントを押さえ、確実に高得点を取れるようになりましょう。

今回は主にポイント別に解説していきたいと思います。

 

 

 

1.カギとなる表現を見つける

英文和訳の対象となる文には、多くの場合、カギとなる表現が含まれています。それが比較なのか、不定詞なのか、倒置なのか、様々なパターンがありますが、その表現をいかに丁寧に訳すことができるか、これが最も重要なポイントになります。

長文の中からある1文、2文を抜き出して英文和訳として出題するわけですから、出題者は何かしらの意図を持ってその文を和訳問題として出題します。

 

では、いくつか例文を載せるのでそれについて考えていきましょう。

Ex) The harder you study, the smarter you become.
訳)一生懸命勉強すればするほど、頭が良くなる。

この和訳でカギとなる表現は何でしょうか。
「the 比較級~、the 比較級~」です。「~すればするほど~」という意味の表現ですね。これを和訳の際に忠実に訳せるかが重要になります。

参考)「the 比較級, the 比較級」を3分で理解する

 

Ex) Baseball is popular not only in America, but also in other many countries.
訳)野球はアメリカだけでなく、他の多くの国々で人気がある。

今回の例文の和訳ポイントは何でしょうか。

「not only A, but also B」ですね。「Aだけでなく、B」という意味の表現です。

Ex) Frankly speaking, I am not good at speaking English.
訳)率直に言えば、私は英語を話すのが得意ではない。

今回の和訳のポイントは独立分詞構文です。「frankly speaking」、「率直に言えば」という意味の独立分詞構文です。

以上のように、英文和訳問題には何かしら意識してほしい表現が含まれています。その表現は何か考えてから訳すように心がけましょう。

 

 

2.代名詞が指し示すものを明確にする

前の項で説明したパターン、つまり重要表現(文法事項)について問うパターンと並んで出題される頻度が高いのが、英文中に代名詞を含む問題です。

「このitが指し示すものを明確にして和訳しなさい」というような形で出題されることが多いです。

では、実際に例文の中で考えていきましょう。

Ex) I had to hand in my assignment to the teacher, but I forgot to bring it.
訳)私はその先生に課題を提出しなければいけなかったが、それを持ってくるのを忘れた。

少し簡単な文章ですが、上の文の中でitが示すものは何でしょうか。「my assignment」ですね。

和訳問題の問題文中に「itを明確にして」と書いてある場合は、しっかりと、「課題を持ってくるのを忘れた」と訳さなければいけません。

実際の模試や入試では、上のように簡単に理解できるような英文はあまり和訳問題にされません。

もう少しひねった問題が出題されます。長文を読む際には、その代名詞が何を示しているのか意識しながら読むようにしましょう。

 

 

3.時制に注意する

次に紹介するのは、時制に関することです。簡単に言えば、時制に忠実に(文法に忠実に)和訳するということです。

長文問題では、現在完了、過去完了、現在進行形など、様々な文法事項が盛り込まれています。

それぞれの文には、しっかり意味があってその時制が使われています。その意味をくみ取ったということを採点者にアピールするためにも時制に忠実に訳すことを心がけましょう。

Ex) My mother has been angry because I broke the promise.
訳)私がその約束を破ったので母はずっと怒っている。

今回の例文を和訳する上で重要なのは、現在完了形(継続)の訳し方です。

少々細かいことなので指摘しなくても良いと考える人もいますが、細かなニュアンスの違いを大事にしてください。

仮に「母は怒っている」と和訳するとしましょう。

確かに、文の意味はだいたい把握することができます。

しかし、「私がその約束を破った」時から今まで怒っているというニュアンスが含まれていません。

この少々細かいニュアンスを理解したことを示すためにも「ずっと怒っている」という和訳にするほうが、より文意に忠実でしょう。

 

 

4.感覚で訳さない

直訳と意訳のどちらが良いのかという疑問を持つ人は非常に多いと思います。結論から言えば、日本語として意味が通じる範囲の直訳が良いと私は考えます。

文意を理解してもらいたい問題を出題するのであれば、「AについてBはどのように考えているか」といった形で出題すればいいでしょう。しかし「下線部を和訳しなさい」というように、出題されている場合は直訳が無難です。

上の2つの出題形式の何が違うのでしょうか。答えは簡単です。前者は「英文解釈」の問題であり、後者は「英文和訳」の問題なのです。「英文和訳」の問題で出題者が問いたいのは、文法事項を理解しているか、代名詞が示すものは何かというような、前の項までに示したものです。ですから、文構造に忠実に訳すことが英文和訳では求められます。

文構造に忠実に訳した上で、少し日本語としてぎこちない部分があれば修正を加えるような形にするのが良いでしょう。
あくまでも、文構造ベース(直訳)で訳すことを押さえてください。

以上、英文和訳のポイントでした。

 

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