長文読解

『英語長文レベル別問題集』シリーズの効果的な使い方を考える

『英語長文レベル別問題集』シリーズの効果的な使い方を考える

入試英語の中で、長文問題は非常に大きなウェイトを占めます。国立2次のように記述を求める場合や、私立のように短答式の場合など、さまざまなパターンの問題がありますね。

 

いくつものパターンの長文問題があるため、どの問題集を購入すれば良いか分からない受験生も多くいることと思います。今回紹介する問題集は、受験生の中でも使用している人が比較的多いシリーズの問題集です。

 

それは「英語長文レベル別問題集」シリーズです。東進ハイスクールの英語の名物講師である大岩先生と安河内先生の共著の問題集になっています。

 

この問題集はやはり、構造分析が非常に細かくされているため解説が丁寧だと評判のシリーズです。また、CDが付属しているためシャドーウィングを通して英語力の向上が期待できます。

 

1. 基本情報

 

英語長文レベル別問題集1(超基礎編)

 

英語長文レベル別問題集 1(超基礎編)

 

  • 単行本: 133ページ
  • 出版社: ナガセ (2007/09)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890853944
  • ISBN-13: 978-4890853946
  • 発売日: 2007/09
  • 商品パッケージの寸法: 20.8 x 14.4 x 1.4 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

難易度:入門の入門レベル

到達目標:中学英語を理解する

必要期間:2週間

用途:英語が非常に苦手な高校生が英語に慣れる

対象者:英語が非常に苦手な高1

問題数:12

 

英語長文レベル別問題集2(基礎編)

 

英語長文レベル別問題集 2(基礎編)

 

  • 単行本: 133ページ
  • 出版社: ナガセ (2007/09)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890853952
  • ISBN-13: 978-4890853953
  • 発売日: 2007/09
  • 商品パッケージの寸法: 21 x 14.4 x 1.4 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

難易度:入門レベル

到達目標:高1の基本的な内容を理解する

必要期間:2週間

用途:英語が苦手な高1が英語に慣れる

対象者:英語が苦手な高1

問題数:12

 

英語長文レベル別問題集3(標準編)

 

英語長文レベル別問題集 (3) 標準編

 

  • 単行本: 133ページ
  • 出版社: ナガセ (2007/09)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890853960
  • ISBN-13: 978-4890853960
  • 発売日: 2007/09
  • 商品パッケージの寸法: 20.6 x 14.4 x 1.2 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

難易度:センター試験基礎レベル

到達目標:センター試験6.5割

必要期間:2週間

用途:ある程度スピードを意識した長文読解

対象者:国公立大受験者

問題数:12

 

英語長文レベル別問題集4(中級編)

 

英語長文レベル別問題集〈4〉中級編

 

  • 単行本: 153ページ
  • 出版社: ナガセ (2007/12)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890854002
  • ISBN-13: 978-4890854004
  • 発売日: 2007/12
  • 商品パッケージの寸法: 20.6 x 15 x 1.6 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

難易度:センター試験標準レベル、中堅私大レベル

到達目標:センター試験7.5割

必要期間:2週間

用途:センター試験3・4問、中堅私大向けの問題演習

対象者:国公立大受験者、中堅私大受験者(日東駒専)

問題数:12

 

英語長文レベル別問題集5(上級編)

 

英語長文レベル別問題集 5(上級編)

 

  • 単行本: 157ページ
  • 出版社: ナガセ (2008/03)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890854029
  • ISBN-13: 978-4890854028
  • 発売日: 2008/03
  • 商品パッケージの寸法: 20.6 x 14.8 x 1.2 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

到達目標:MARCHの合格点を”狙える”

必要期間:2週間

用途:難関私大受験で戦える読解力を付ける

対象者:難関私大受験者(MARCHレベル)

問題数:12

 

英語長文レベル別問題集6(難関編)

 

英語長文レベル別問題集 6(難関編)

 

  • 単行本: 181ページ
  • 出版社: ナガセ (2008/03)
  • 言語: 日本語
  • ISBN-10: 4890854037
  • ISBN-13: 978-4890854035
  • 発売日: 2008/03
  • 商品パッケージの寸法: 21 x 15 x 1.8 cm

 

ジャンル:英語長文問題集

難易度:早慶上智、東大

到達目標:早慶上智の合格点

必要期間:2週間

用途:最難関私大の短めの読解対策

対象者:早慶上智受験者

問題数:10

 

2. 英語長文レベル別問題集1(超基礎編)の評価

収録されている問題のレベルとしては、中学英語です。高校に入学した後、英語に不安だと感じていたら使い始めましょう。

 

2-1. 使用上のメリット

・中学英語を1冊で復習できる

内容が中学英語の総復習に絞られているため、英語が苦手な高校1年生が短期間で内容を復習するのにはもってこいの問題集です。

 

2-2. 使用上のデメリット

 

・ほとんどの高校生には必要ない

よほど英語が苦手ではない限り、この問題集は使わない方が良いと思います。

英語が苦手と感じているようであればレベル2から取り組んで、それでもダメな場合にレベル1を使うようになりましょう。

 

3. 英語長文レベル別問題集2(基礎編)

レベル1をやる前に、まずこのレベル2に取り組みましょう。

英語が苦手な高1でも、このレベルに取り組めばだいたいの分野を確認できます。

 

 3-1. 使用上のメリット

・教科書レベルの長文読解が可能になる

レベルとしては教科書の内容程度です。教科書の英文を読んでいてつまずくことが多い高校生は使ってみると良いでしょう。

基本的にはこの問題集の内容でカバーできますが、それでも難しいと感じる人はレベル1を使うようにしましょう。

 

3-2. 使用上のデメリット

 

・授業の解説で事足りることが多い

「英語長文レベル別問題集」シリーズは解説が非常に詳しいことで有名ですが、レベル2の内容であれば高校の授業で扱う内容と大差ありません。

高校の教科書の内容の復習をするだけで十分事足りてしまうでしょう。

 

4.レベル3(標準編)の評価

レベル3からいよいよ「問題集」らしくなります。レベルはセンター試験の易しい~標準程度で、約350語の長文が12問収録されています。

単語の内容もそこまで難しくないので、センター試験の問題演習として行うにはちょうどいいレベルの問題集でしょう。

 

4-1. 使用上のメリット

・高2の夏前にセンター試験の準備

高2の夏前に、センター試験を見据えて1冊を終わらせるという使い方が良いと思います。

収録されている問題のレベル自体がそこまで高くないので、まだ詰め込んでいない状態でも十分に解くことができるでしょう。

1冊終わらせることで、センター試験の長文読解のスタイルを体に染み込ませることができます。

また、語数がそこまで長くはないのでセンター試験の大問3と4を意識して演習することになります。

 

4-2. 使用上のデメリット

・特になし

 

5. レベル4(中級編)の評価

レベル3からレベル4の間に1つの大きな壁があります。レベル4で含まれる内容はセンター試験難関レベル、中堅私大レベルの問題です。長文の語数は350~400語程度で、センター試験の大問3、4と近い設定です。

 

中堅私大と言っても、骨のある問題もちらほら見られるので実力をつけるのは十分な問題集だと思います。

 

5-1. 使用上のメリット

・センター試験の大問3、4の得点力アップが期待できる

収録されている長文の語数、内容からセンター試験対策に非常に適した問題集と言えます。

また、センター試験よりも難易度は少し高めに作られているので「慣れる」という目的で使うのではなく「得点力アップ」を目標に使っていきましょう。

レベル4で目指す到達目標はセンター試験で7.5割の得点を取ることなので、大問3と4では8割の得点を目指しましょう。

 

5-2. 使用上のデメリット

 

・中堅私大の対策には少し物足りない

中堅私大レベルの問題が含まれているため、もちろん対策はできますがこの1冊では少し不十分に感じてしまいます。

というのも、大半の文系私大の受験は英語での得点力がカギを握るため、英語が得意であればあるほど有利になります。

そのため、1つ上のレベルの問題集を解いて力を付けることをおすすめしています。今回であれば、レベル5で演習を積むことで受験を優位に進められるでしょう。

 

6. レベル5(上級編)の評価

レベル5はMARCH対策の問題集として使われることが多いです。全ての問題が私大の過去問で構成されているので、完全に私大受験者向けの問題集と言えるでしょう。

 

6-1. 使用上のメリット

難関私大で戦える力が身に付く

先ほども書いた通り、全て私大の過去問から問題が作られています。MARCHや成成獨国などの難関私大、有名私大の受験を考えている人は使ってみると良いでしょう。

 

このレベル5から語彙力をさらに問われるようになるので、6000語レベルの語彙力は身に着けておきたいところです。私のおすすめは『キクタンAdvanced6000』です。キクタンの使い方に関しては、以下のリンクから確認してください。

 

『キクタン』の最も効率的な使い方

 

6-2. 使用上のデメリット

 

・使うまでの準備が大変

これはどの難関大向けの問題集に言えることではありますが、使い始めるまでに準備がかなり必要になります。

難関大に対応できるだけの単語力、読解力、文法知識を身に着けるにはかなりの

時間と労力が必要です。

特に、このレベル5は難関私大に焦点を当てた問題集になっているので難関国立大よりも求められる語彙力は高くなるでしょう。

 

7. レベル6(難関編)の評価

レベル3と4の間に大きな壁があることは説明しましたが、レベル5と6の間にも壁は存在します。その壁は3と4の間のものよりもはるかに大きいです。

 

難易度は早慶上智・東大レベルで、このシリーズの問題集で最も難易度が高いです。

 

問題数は10で他のレベルよりも少なく、7つが300語程度、3つが1000語程度の長文問題になっています。

 

7-1. 使用上のメリット

・最難関私大の長文対策に適している

収録されている問題が早慶上智と東大のみで、典型的な「最難関私大対策問題集」と言えます。難易度は通常の早慶上智の問題よりも少し易しめのものが多いですが、十分対策できるでしょう。

早慶上智対策の長文問題集というと、収録されている問題のほとんどが600~800語程度の文なので、300語程度の長文対策ができる問題集は珍しいです。

また、1000語の長文によって超長文の対策も少しできるので早慶上智の受験を考えているのならばおすすめです。

 

7-2. 使用上のデメリット

・難易度にやや問題あり

早慶上智の問題が扱われているものの、少し易しめの問題が並んでいる印象を受けます。300語程度の長文で難しい長文問題は作成しにくいからでしょう。

そのため、この1冊だけでは早慶上智対策は不十分です。『やっておきたい英語長文700』『やっておきたい英語長文1000』といった、長めの難関長文問題集に触れておくことをおすすめします。

 

8. 最も効率的な使い方を考える

①3分短い時間で問題を解く。

問題ごとに設定時間が示されていますが、その設定時間よりも短い時間内で解答しましょう。目安の時間は3分です。

レベル5、6を解く時は必要に応じて時間通りに解いても問題ありません。

 

②解答・解説を読む。

特に、レベル4~6を使用している場合は正解した問題の解説も良く読んでください。レベルの高い問題集の、誤った選択肢や別解から学ぶことは非常に多いです。

 

 

③構造分析ページを用いて精読する。

この問題集最大の特徴が、構造分析の充実です。各英文の文構造が細かく分析されています。「SVOC」、時制、接続詞などの文法事項に注意しながら精読しましょう。

もし、精読していてつまずいた部分があれば各要素をスラッシュで区切って確認することが望ましいです。

 

④CDでシャドーウィング×5

私は問題集の使い方を解説する時に、必ず音読するように書いています。それはなぜでしょうか?音読は最も効果のある英語の学習法だからです。

そして、さらに音読の効果を上げる方法があります。それこそ、シャドーウィングです。問題集に付属しているCDを聴きながら、それに続けて発音し、シャドーウィングを行いましょう。

CDのペースは普段の音読のスピードよりも速いと思うのでたくさん数をこなすことができます。また、長文の語数自体も少ないので普段よりも多く練習することができます。

 

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